
こんな悩みにお答えします。
本記事の内容
こんな方におすすめ
- 「戦略」とは?
- 「戦術」とは?
- 「戦略」と「戦術」の違いを分かりやすく知りたい
- 「戦略」と「戦術」を実例をから学びたい
「戦略」と「戦術」について、誰でもわかるようまとめておきました。 pic.twitter.com/XpRoVSs35s
— ごらり|モノづくり企業の図解師 (@gorizukai) June 24, 2021
今回は、「戦略」と「戦術」について解説していきます。
「戦略と戦術って一緒じゃないん?!」と思っている人にとっては少し学びある記事であることを約束します。
一方、「そんな微妙なニュアンスの違い知っても意味ないわ」と斜に構えている人にとっては一ミリも参考にならないので、そっと右上の閉じるボタンを押すか、左から右にスワイプしてお戻りください。
それでは、さっそく本題に入っていきましょう。
もくじ
「戦略」と「戦術」とは?
あなたは、「戦略」と「戦術」の違いについて正しく説明できますか?
goo国語辞書にはこう記されています。
戦略:
1 戦争に勝つための総合的・長期的な計略。→戦術
2 組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。「経営戦略の欠陥」「戦略的人生論」「販売戦略を立てる」
戦術:
1 戦いに勝つための個々の具体的な方法。
2 ある目的を達成するための具体的な方法・手段。「賃金闘争の戦術を練る」「人海戦術」
何となく、わかると思いますが、もっとわかりやすく示してみるとこうなります。
- 戦略=戦うためのシナリオ
- 戦術=具体的アクション
これで随分わかりやすくなったのではないでしょうか?
もう少しイメージしやすいように掘り下げましょう。
「戦略」とは?
繰り返しになりますが、「戦略」を一言で言えば、「進むべき方向性、シナリオ」になります。
「目的を達成するためのプラン」を示すものです。
ビジネスで言うと、企業が目指している理想の姿に対してのギャップを埋めるためにどんな計画を遂行するか、というシナリオが戦略にあたります。
目的達成に向けて、細かく施策を並べるのは戦略ではありません。
「戦術」とは?
対して戦術は、戦略を実行するための具体的なアクションプランとなります。
立案した戦略を基に、誰が、いつどんな行動をするのか?
そのような具体的な行動を決定していくのが「戦術」になります。
ビジネスマーケティングでの「戦略」と「戦術」の立て方
戦略と戦術を考えるときは、以下プロセスで考えてみましょう。
- 目的を設定
- 目的を達成するための戦略を立案
- 現状把握
- 戦略を達成するための戦術を立案
目的を設定
そもそも何を達成したいのか?
そして、それをなぜ達成したいのかを考えましょう。
この目的の言語化はメンバーを巻き込んでプロジェクトを進めていくにあたっては非常に重要です。
メンバーとの認識齟齬をなくすという意味でも、目的設定は必ずしましょう。
目的を達成するための戦略を立案
目的が決まれば、その目的を達成するためのシナリオを考えましょう。
この時、戦術から先に考えるのはNGです。
幹がない状態で、枝葉である戦術を立案してもちぐはぐな結果になるのが目に見えています。
まずは戦略を練り、目的達成までのシナリオを明確にすることが重要です。
現状把握
戦略を立てるうえで、自分たちの「現状を正しく知る」ことが非常に重要です。
例えば、以下について整理できていますでしょうか?
- 市場環境の理解
- 自社の営業状況を分析
- 分析によって浮き彫りになった問題把握
どれだけ見栄えの良い「戦略」が立案で来ていたとしても、それが現状を置き去りにした内容になっていれば、絵に描いた餅にしかなりません。
戦略を達成するための戦術を立案
戦略が決定したら、どのような手段でその戦略を実現させていくかを検討しましょう。
このとき重要なのは必ず目的を念頭に置いて戦術を立てることです。
目的をおろそかにして「戦術」を決めてしまった場合、目的を達成するための戦術のはずが、見栄えの良い戦術を立案してるにすぎず、目的と乖離した内容になっているなんてことがままあります。
そんな無駄なことにしないためにも、目的を達成するための「戦術」になっているか、常に意識して戦略立案しましょう。
「戦略」と「戦術」の立て方を『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』から学ぶ
「戦略」、「戦術」の立て方について学べる本と言えば森岡毅さん著の『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』です。
上記画像にまとめていますが、なぜその「戦略」、「戦術」を立案するに至ったのかなどを本を読めば学ぶことができます。
一度手に取り、学び・実践することをおすすめします。
では具体的にどのように「戦略」と「戦術」を考えるのか、他の事例を以って簡単に考えてみましょう。
もちろん、これが正解か不正解かはわかりません。
企業の状態によるので、何が得策かは、現状把握をしっかりしたうえで考えていくことが重要です。
離職を防ぐための「戦略」と「戦術」例
従業員の離職を防ぐにはいくつも考えることがありますが、「離職を防ぐ」にはどんな、「戦略」、「戦術」が考えられるか見てみましょう。
戦略①:給与アップ
給与アップを実現するためにも、現状発生している経費削減できないか検討
戦略②:福利厚生の充実
住宅手当や食事補助、休暇などどのような制度導入してほしいかアンケート取得
戦術①経費削減
リモートワーク導入及び、営業活動はオンライン商談を導入することで、移動費の削減を削減。
また、リモートワーク導入に伴い、事務所の縮小もしくは、解約をすることで、給与原資を作る。
戦術②アンケート収集
アンケート結果を基に、すぐ導入検討可能なものは、プレ導入を3か月実施。
3か月後に満足度調査を行い、7割以上の満足度を得られていた場合は、正式導入することとする。

あの企業の「戦略」と「戦術」のビジネスマーケティングをわかりやすく解説
次に、誰もが知る企業がどのような「戦略」、「戦術」を繰り広げているのか見てみましょう。
ロイヤルホスト:メニューを高級路線に変更
ロイヤルホストは、低価格飲食チェーンとの価格競争に打ち勝つため、メニューを高級路線にシフト。
女性客やシニア層をターゲットに、素材にこだわったメニュー、健康に配慮したメニューを強化。
飲食チェーンといえば、低価格が売りのところを、ロイヤルホストでは、価格帯が1,000円を超えるメニューが中心です。
この戦略が顧客に受け入れられ、売上増につながっています。
任天堂:ブルー・オーシャン戦略
次に、任天堂の「戦略」と「戦術」を見てみましょう。
任天堂といえば、「ブルー・オーシャン戦略」というワードが頭に浮かぶ人がいるのではないでしょうか?
任天堂は、競争者のいない市場で開拓をし、顧客層の拡大をしました。
特に任天堂が2006年に発売した「Wii」の戦略は鮮やかでした。
当時のゲーム業界では、「リアリティのある映像」や「シナリオ長編コンテンツ」、「難易度が高く遣り込める」という要素が市場では受けていました。
ですが、任天堂は、「リモコン操作コントローラーにして、単純明快に楽しめるゲーム」という当時のメジャーな市場から離れたブルーオーシャンを目指し、今までゲームで遊んでこなかった層を取り込む戦術を展開しました。

ビジネスマーケティングの「戦略」と「戦術」まとめ
「戦略」と「戦術」は、言葉こそ似ていますが、似て非なるものということは理解いただけたのではないでしょうか。
「戦略」のミスは計画全てのミスを意味し、そのミスを埋めるためにいくら「戦術」でこねくり回しても、そのミスを取り返すことはできません。
勝つための戦いをするためには、「戦略=シナリオ」が何より重要です。
描いている未来像を絵に描いた餅にしないためにも、現状とありたい姿の差分を正確に測り、今取り組むべき戦術に注力される人が一人でも増えることを祈ります。
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